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  • 「アゲ魚っ子を食べて学ぼう!」むつ市の学校給食に、ロウソクホッケのフライボールを無償提供

    2022年11月16日、むつ市立西通り学校給食センターの配食校4校(川内小中学校、脇野沢小中学校)の給食に、地元産の白身魚”ロウソクホッケ”のフライボールを無償提供しました。さらに、川内小学校の4年生の教室で「海の食育講座」を実施。講師が実際にロウソクホッケをさばいて見せながら、下北で獲れる魚の特徴や、海で起きている問題について学んでもらいました。海の資源に囲まれていることの幸せに気づき、その海の豊かさを守ろうとする心を育む取組みです。

    下北半島の海は豊かな宝海!地元の漁の様子をクイズや動画で楽しく学ぶ!  

    川内小学校4年生11名に、海の食育講座を実施しました。下北半島は、全国的にも珍しい4つの海に囲まれた豊かな漁場で様々な漁が行われています。「しろみ魚の図鑑」というイラストのチラシを配布して、周辺海域の魚の多様性を紹介し、講師の下北地方水産事務所の澤田篤技師が、マグロ、コンブ、ホタテガイ、サケなど、海水温の上昇によって以前ほど採れなくなってしまった魚が多いことや、陸奥湾に面した川内町で盛んな、ホタテガイの養殖についてお話しました。動画やイラストを交えて楽しく、わかりやすく紹介しながら、クイズを出すと、子どもたちは、真剣に考えて答え、理解を深めていきました。
    家族や親族に漁師がいる子どもいて、比較的海が身近で魚が好きな子どもも多いクラスでしたが、ふだんの食事は肉食が増えており、給食の「アゲ魚っ子」メニューを楽しみにしていたといううれしい声も聞かれました。

    ロウソクホッケを観察。さばく様子を興味シンシンで見つめ、思わず「おいしそう!」の声も!

    ホッケは、川内地区では比較的珍しい魚種で、魚体を初めて見る子どももいましたが、魚が様々な ヒレをうまく使って泳ぐ様子の解説や、食卓にあがるまでの三枚おろしの実演などを、興味深々で観察しました。ホッケは群れで泳いでいるため、他の魚と一緒に漁の網に入ってくるのですが、まだ脂がのっておらず、ロウソクのように細い時期のホッケはあまり活用されていないので、すり身にして揚げることでおいしく食べられるアゲ魚っ子フライボールを開発しました、と伝えると「早く食べたい!」と期待の声があがりました。
    SDGsの取組みにも力を入れている同校の子どもたちは、目の前の海を守る活動への関心も高く、授業の最後には、「海の未来をみんなでアゲアゲ!」の合言葉で、「海の未来を守る海の子になる!」と誓ってくれました。

    ロウソクホッケのすり身で作った「アゲ魚っ子フライボール」を給食で味わう!

    「アゲ魚っ子フライボール」の提供は、この年2月(アブラメを使用したもの)に続いて2度目。今回はロウソクホッケを使用し、前回と同様にすり身(小骨と皮も入っています)にツルアラメという海藻の粉末とオニオンソテーを加えて丸め、衣はほんのりカレー味でサクサク。1個20g程のアゲ魚っ子ボールを、小学生には2つずつ、中学生は3つずつ提供しました。食育講座を実施した4年生以外の学年には、実行委員会が制作したオリジナル動画でキャンペーンキャラクター「アゲゴンベ」が、下北半島の海や漁業の特徴や、海の問題を3択クイズを交えて解説し、楽しく学んでもらいました。
    前回のメニューがおいしかったと覚えている子どもも多く、給食時間中に登場した「アゲゴンべ」を歓声で迎え、「また来てね!」とうれしそうでした。

    ■食育授業を受けた4年生の感想
    ・クイズや動画で、とてもわかりやすく楽しく教えてくれてうれしかった。
    ・川内で獲れる魚やホタテ漁について、知らないことが多かったのでおもしろかった。
    ・魚をもっと食べて、海を守っていきたい。

    ■アゲ魚っ子フライボールを食べた感想(児童)
    ・他の魚のフライボールも食べたい。
    ・おいしくてあっという間に食べた。また食べたい。
    ・魚は好きな方だけど、フライボールは特においしい。

    ■川内小学校・曽根智子校長先生のコメント
    地域のプロの方々に教えてもらえる機会は大変貴重。SDGsに積極的に取り組んでいるので、海を守る心を育てる取組みとして大変有難い。

  • ロウソクホッケを自分でおろしてアゲ魚っ子に。奥戸小学校で「さばいて知ろう!わいどの海」を開催!

    2022年11月9日、大間町の奥戸(おこっぺ)小学校にて「海の未来をアゲアゲに―さばいて知ろう!わいどの海」を開催。5・6年生10名が、ひとりで1匹、ロウソクホッケをさばいて調理して食べてみる体験にチャレンジしました。この体験を通して、ふるさとの海への興味関心を喚起し、豊かな海を守るために自らアクションを起こそうという心を育てるための取組みです。

    地元産のロウソクホッケを三枚おろしに!自分でやってみたら、さばけた!

    子どもたちの大好物のカレーライスと組み合わせて、「魚っておいしい!」を体感してもらうメニュー「ロウソクホッケの魚っ子カツカレー」を作りました。魚を一からさばいてみることで、自分でもできたという達成感を味わいつつ、地元で獲れる魚への興味を喚起して、食べてみようという気持ちになってもらうことが狙いです。

    ロウソクホッケは20センチ前後と小ぶりで、脂がのる前の細いホッケ。群れで生息しているため、イカやタラを獲る網に大量にかかってしまうのに、地元ではなかなか活用されていないことを事前に学習。その後、調理室に移動して魚を間近に見て触って、納得している様子でした。

    まずは講師の荒谷潤治さんがお手本のさばき方を見せてくれて、包丁の入れ方やコツを教えてくれました。その後、3つのグループに分かれて、それぞれの講師のマンツーマン指導でさばいてみました。鱗を落として、頭と内臓を切り離し、三枚おろしにします。初めての経験に苦戦する子もいましたが、全員がしっかりと魚をさばくことができました!

    ホッケのミンチとつるあらめが入った「海のカレー」をかけて、いただきます!   

    一番難しい魚をさばく体験を終えた子どもたちは、達成感にあふれた様子。その後は楽しそうにホッケに衣を付け、鍋にカレーの材料を準備していました。皮や骨ごとミンチにしたホッケの身と、地元産の海藻「つるあらめ」の粉末を具材に投入。料理家の栗原心平さんが大間町の子どものために考案してくれた、海の風味豊かなオリジナルレシピのカレーです。カツがカラッと揚がった頃に、カレーも完成。ホッケカツにたっぷりかけて、みんなでいただきました。

    まずはホッケカツを実食。サクッといい音が聞こえてきました。なかには3杯もおかわりした子もいました!実は、その子は魚が嫌いな子でした。学校からすぐそばに見える、わいど(私たち)の海に住む魚を、自分の手でさばいて調理して食べたから、苦手だった魚のおいしさに気づけたようです。この体験が「豊かな海を守ることで、未来をさらにアゲアゲにしよう!」と自らアクションを起こす契機となったに違いありません。みんな揃って完食し、お腹いっぱい。海の恵みに感謝の「ごちそうさま」でした!

    ■小学生の感想
    ・三枚おろしは初めてで難しかったけど、ていねいに教えてもらえて、上手にできてうれしかったです。
    ・魚っ子カツカレーおいしかったので、家でも家族と作りたいです。
    ・大間の海にはこんなにおいしい魚が住んでいるんだとわかりました。
    ・私たちが海を汚していることを知りました。これからは海を守っていきたいです。
    ■先生の感想
    ・三枚おろしはどうなることかと思いましたが、マンツーマンのていねいなご指導により、貴重な体験ができましたことに感謝しています。

  • 「海のアゲ弁」食べて学ぼう!ーーお弁当を無償提供して「海の食育」を!

    大間町の小学校には、学校給食がありません。だから、青森県の大型スーパー・マエダストアと共同開発した「海のアゲ弁(大間アゲ魚っ子弁当)」を、大間小・奥戸小の全児童約200名に無償提供。海のごちそうを通じて海への興味関心を喚起し、豊かな海を守る心を育むため「『海のアゲ弁』食べて学ぼう!」を実施いたしました。「海のアゲ弁」は、魚が苦手な子どもでも食べやすいお弁当。オリジナル動画を視聴してもらいながら、大間の海や漁業の特徴、海の問題を、楽しく食べて学びました。

    ひじきご飯の上に、ロウソクホッケのアゲ魚っ子ボールがコロンコロン

    大間アゲ魚っ子弁当、略して「海のアゲ弁」。ひじきの混ぜご飯に海苔を敷いて、メインのおかずの新メニュー”ロウソクホッケのアゲ魚っ子ボール”がのっかっています。さらに、みんなの好きなタコさんウインナーにタコのから揚げ、とどめの卵焼きにゆで野菜と、彩りもキレイなお弁当。「いただきます」をして蓋を開いて、まずは魚っ子ボールをパクリ。ロウソクホッケは細くて脂がないから、なかなか活かされなかった魚だけど、揚げ物にするとうまい!「おいしい!」「もっと欲しい!」とうれしい声が聞こえてきました。ふだんは魚をお弁当に入れない子も「これなら食べられる!」と笑顔で完食してくれました。

    オリジナル動画を視聴して、おいしく楽しく海を学びます!

    津軽海峡に生息するさまざまな海の生き物たちをイラストで紹介した「津軽海峡 しろみ魚図鑑」をお弁当といっしょに配り、約10分間のオリジナル動画も視聴してもらいました。動画は、津軽海峡の海の特徴や海産物などの解説、今起こっている海の問題がわかる3択クイズ、子どもたちが歌詞を作った海の子ソングに自ら出演したPV映像など、内容は盛りだくさん。特に3択クイズでは、答え合わせでガッツボーズをする子がいたりと、大盛り上がり!
    最後は「海の未来を、みんなでアゲアゲ!」の合言葉で、全員がアゲアゲポーズ。「海の未来を守る海の子になるっ!」と、誓ってくれました。

    ■小学生の声
    ・お弁当のアゲ魚っ子ボールがちょっぴりカレー味でおいしい。
    ・魚っ子ボール、もっと食べたい。あともう1個入っててほしかった。
    ・お寿司の魚以外は美味しくないと思っていたけど、このフライボールは美味しい。
    ・帽子(かぶりもの)がおもしろかった。来てくれて楽しかった。
    ・動画を見て大間の海で一番とれているのが、マグロでなく昆布だったのを知り驚いた。
    ・海をきれいにしたいし、大事にしたい。魚を助けたい。
    ■先生の声
    ・子ども達は、目の前に海があり、そこでたくさんの魚や海産物がとれていることを当たり前に思って生活しているんだということに気づかされました。動画は、低学年にもとても分かりやすく、メッセージが伝わってくる素晴らしいもので、SDG’Sの教材としても活用できるものだと思いました。

  • 海の未来をアゲアゲにー「大間小学校 海洋ごみ調査隊」を開催しました!

    1年前、大間小学校で海を学ぶ授業を行い、津軽海峡の白身魚を活用した「アゲ魚っ子」メニューを味わった子どもたち。そのみんなにアンケートをしたところ、約8割の子どもたちが、「大間の子として海をきれいにしたい」と回答してくれました。ならば、子どもたちに芽生えた海の問題意識を実際のアクションにつなげようと、大間小学校の6年生たちと一緒に大間崎での「海洋ゴミ調査隊」を実施。さらに今年も、地元産のホッケを活用した「ホッケドッグ」をお昼ごはんとして提供し、海の食育機会を与えることができました。

    海洋ごみ拾いと分析 ~この海洋ごみが自然に帰るのは、何年後?~

    講師の三津谷あゆみさんがブルーサンタ姿で大間小学校に登場。この日で560日間、毎日ごみを拾い続ける、ものすごい活動家です。まずは、海洋ごみの8割は陸から川を流れてたどり着くことや、海にはプラスチックごみが一番多いことなどを、三津谷さんが実際に拾ったごみの写真を交えて学びました。事前学習のあと大間崎に移動し、各班で分担してごみ拾いを行いました。20分間で、ロープの切れ端や小瓶などの小さなものから、フライパン、蛍光灯、毛布など、大きな海洋ごみもたくさん集まりました。

    その後はみんなで、ごみが自然に消えるまでに何年かかるのかを予想し、班のリーダーが時間軸パネルの前に立って発表しました。アルミ缶が自然に消えるまで50年かかると予想した班がいましたが、実際は200年かかるとのこと。ごみが自然に還るまで、予想よりもはるかに長い年月がかかる事が分かりました。ごみ拾いを終えた後、学校に戻り、“海ごみ検定”の問題を通して学びを振り返りました。海洋ごみの現状を実体験し、“豊かな海を守りたい”という強い想いが、みんなの心にしっかりと芽生えたようでした。

    新メニュー「ホッケドッグ」の中身は、地元産の白身魚・ろうそくホッケ! 

    海洋ごみ調査隊の活動後は、新メニューの「ホッケドッグ」でお昼ごはん。挟んでいるのは、”津軽海峡産のろうそくホッケ”を小骨や皮ごとミンチにし、ほんのりカレー味の衣でカリッと揚げたホッケカツです!食べてもらう前に、”津軽海峡産のロウソクホッケ”は脂が少なく身が細いため、地元ではなかなか活用されていない”人気のない魚”であることをお話ししました。見た目と栄養バランスにもこだわり、カツを魚の形にし、トマトも挟みました。「パンから尾びれが出てて可愛い~」とさっそく気づいてくれた子どもたち。普段はあまり魚を食べないと言っていた子も、おかわりしてくれました!

    今回の活動で、自分たちが暮らす海や環境に悪影響を及ぼす海洋ごみがあることを知り、その海で獲れている魚のおいしさを知って、海を大切にしたい!という気持ちがますます強くなったようです!

    ■参加した大間小6年生の声

    ・海にはこんなにいろんなごみがあるんだなって、とてもびっくりした。
    ・(活動前は)ごみ拾いは楽しくないと思っていたけど、やってみたら楽しかった。これからも続けたい。
    ・自分たちよりもずっと長く自然界に残り続けるごみのせいで、生き物が死んでいく事が悲しい。
    ・プラスチックがけっこうな時間(自然界に)残るのは知ってたけど、ガラスが何万年も残るというのはおどろいた。
    ・海洋ごみは、町からも来ることが分かった。町のごみ拾いもしないと海がキレイにならないと思った。
    ・ホッケの開きが大好きなので、こんな食べ方もあるんだと感動した。
    ・去年のも美味しかったけど、今年のはさらに美味しかった。お店で売るなら家族にも教えたい。

    ■教頭の田中先生より

    ただごみを拾うのではなく、そのごみが分解されるまでには何十年、何百年も時間がかかることを知り、ポイ捨てをしてはいけないことを感じました。講師の三津谷さん自身が毎日ごみを拾っている方なので、とても説得力があり、子ども達の心に届いたと思います。最後に目の前の海で漁獲された魚で作ったパンを食べ、海の有り難さも実感できたと思います。このような機会を与えていただきありがとうございました。

  • 海を知って、海を食べて、海と遊んで、海を歌う。「海の子アカデミー」を開催しました!

    子どもたちへ海の体験の機会を提供することで、海に親しみ、津軽海峡の多様性を学び、海の豊かさを守っていこうとする心を育むため、8月4日~5日の2日間、「津軽海峡 海の子アカデミー」を開催いたしました。身近な海を活用した楽しい体験を通して、海とすっかり友達になった子どもたち8人は、立派な海の子エリートになりました。

    当日のレポート(動画)

    <1日目>漁場体験&磯体験で、海を知り、海と遊んで、海と友だちに!

    ここ大間町は、マグロで有名な海に囲まれた漁師町。漁場体験では、大間のマグロ漁船に乗り、いつもは陸から眺めるだけだった漁港から漁場に出かけることで、漁師さんの目線で海を知り、津軽海峡は多種多様な魚の宝庫であることを現場で学んでもらいました。また、大間には漁港があっても海水浴場はありません。海に入ったことすらない子どもたちも多いため、まずは海で遊んで「海って楽しい!」と感じてもらう体験プログラムを作りました。

    大間崎での磯体験では、箱メガネですぐ足元に泳ぐ海の生物を観察し、捕まえて自分だけのミニ水族館を作りました(観察後はリリースしました)。ギンポや石ガニといった大きな生物に歓喜し、アメフラシやマツバ貝の子どものような小さな生物を愛でる子どもたち。全身、海に入って楽しく遊ぶ姿は、すっかり”海と友だち”でした!

    <2日目>魚、捌けた!ホッケのカツカレー作り&みんなで考えた海の子ソングを熱唱!

    魚よりも肉が好き。大間の海の子なのに、魚食から離れている子どもたち。魚を一から捌いてみることで、自分でもできた!の達成感を味わい、魚食に親しんでもらおうと、子どもたちの大好物のカレーライスと組み合わせ、「魚って美味しい!」を体感するメニュー「ホッケのカツカレー」を作りました。津軽海峡産の「ろうそくホッケ」を1人1匹づつ、先生の指導で捌いてみました。鱗を落として、頭と内臓を切り離し、3枚おろしに。何やらこの日のために練習した子もいて、8人ともとっても上手でした!

    最後はお魚専門のシンガーソングライター・齋藤いゆさんの監修で、海の子ソング作り。2日間のプログラムの中で感じた、海に関する色々な気づきや想いを書き出してもらいました。子どもならではの、豊かな発想力で、とっても面白い歌詞がたくさん登場する極上の海の子ソングが出来上がりました!

    2日間の集中プログラムを通して、海のことが大大大好き!になった8人に、修了証書を手渡しました。「君たち8人を、立派な海の子エリートに認定いたします!」

    2日間の思い出がつまった、海の子の歌が完成!